メガドライブでΣ9000TBを使用する

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最終更新日 2017年2月12日

シグマ電子が出しているコントロールBOX「AV7000」用のジョイスティック「Σ9000TB」をメガドライブで使うための方法を以下に記述します。

以下ではいわゆる「コントローラの乗っ取り」を行います。正しく接続しないことでメガドライブ本体および接続機器の故障の原因になることがあり得ます。全て自己責任で作業を行ってください。

乗っ取りをするにしても、以下の方法よりもパッドにDIN13ピンメスコネクタを増設した方が安価でスマートだと思います。お好みで。

0.きっかけ

メガドライブが最新機種だった当時はKICのコントロールボックスを専用メガドライブケーブル経由で使用していたのですが、引っ越しのごたごたで失ってしまいました。そこで、手持ちのスティック「Σ9000TB」を利用することでメガドライブやマスターシステムの名作ソフトを満足できる環境で遊べるようにしてみようというのが、今回のきっかけです。

1.準備するもの

必要になるものは、以下の通りです。

  1. Σ9000TBとAV-7000を接続するためのケーブル(コントロールBOX用コード)
  2. メガドライブ用コントローラ

あとは、はんだごてと半田、ニッパー、ドライバー、紙ヤスリなどの工具も必要です。はんだごては精密部品用の20wのものがいいでしょう。導通確認をするためのテスターも準備してください。必須ではありませんが、ワイヤーストリッパーやグルーガン(ホットボンド)もあった方がいいでしょう。

Σ9000TBとメガドライブ本体およびAVケーブルの類は用意されているものとします。

今回はメガドライブ標準コントローラではなく互換コントローラーを使用していいます。これは、純正ファイティングパッド6Bを潰したくなかったからです。以下は秋葉原のトレーダーで新品で購入したMAID IN CHINAのコントローラーです。MODEボタンはついていないので、フォゴットンワールドなどのMODEボタンがないと遊べないゲームには使えません。

メガドライブ互換コントローラー

2.Σ9000TB用ケーブル(コントロールBOX用コード)のピンアサイン

こちらが使用したケーブルのアサインおよび、パッドのどこに割り付けるかを書いておきます。

ケーブルを購入した際は、必ずテスターを使用してご自分で確認してください。以下はあくまでサンプルです。

DIN13ピン 接続面

シグマ コントロールBOX用コードのピンアサイン一覧
ピン番号 信号 ケーブル色
1 レバー下 茶色
2 レバー右 赤色
3 2ボタン(Yボタン) オレンジ色
4 3ボタン(Zボタン) 黄色
5 レバー上 緑色
6 レバー左 青色
7 1ボタン(Xボタン) 紫色
8 4ボタン(Aボタン) 灰色
9 スタートボタン 白色
10 コインボタン(Modeボタン:今回のパッドにはないため未配線) 黒色
11 6ボタン(Cボタン) ピンク色
12 5ボタン(Bボタン) 青色+紫色
13 +5V 緑色+白色
フレーム GND オレンジ色+白色

Σ9000TBのスタートボタンは、1ボタンの左にある青いボタンです。コインボタンは4ボタンの左の青いボタンです。

上記で丸かっこ内に書かれているのがパッドへの割り付けです。Σ9000TBとパッドで同じ場合は、かっこでの表記はしていません。

3.乗っ取り手順

準備ができましたら、いよいよ工作開始です。以下の手順で作業を進めてください。なお、導通確認以外の作業はゲーム機にコントローラを繋いでいない状態で行ってください。

以下では2番で書いたアサインのケーブルを前提としています。GNDがシールド線にアサインされている場合は特に注意して、読み替えてください。

3-1.シグマ コントロールBOX用コードの切断

シグマ コントロールBOX用コードを真ん中で切断します。片方をメガドライブに使用し、残り半分は別機種のコントローラを乗っ取るのに利用します。

3-2.切断したシグマ コントロールBOX用コードの皮膜むき

切断した側のケーブル先端から6~7cm黒い皮膜を剥きます。編み目状のシールド線も剥いてください。

皮膜とシールド線、および白い紙の中に細いケーブルが14本あるはずです。+5Vとコインを除いた12本それぞれの先端を2~3mmほど剥いてください。このときワイヤーストリッパーがあると便利です。剥いた先端は軽くねじってください。

3-3.切断したシグマ コントロールBOX用コードの半田メッキ

3-2で剥いた細いケーブル12本全ての先端に半田メッキをします。

ここまでの途中経過のサンプル画像が以下です。サムネイルをクリックすると拡大画像が表示されます。

半田メッキ後のケーブル

3-4.パッドの分解と、基板へのヤスリがけ

パッドの裏蓋のねじを全部外し、基板むき出しにします。そして、むき出しにした基板の半田づけする部分をヤスリがけして銅板をむきだしにします。きちんと銅の色が見えるように削らないと半田がつきません。

ヤスリがけ前の時点でのサンプル画像が以下です。サムネイルをクリックすると拡大画像が表示されます。

ヤスリがけ前のコントローラ基板

3-5.パッドへのケーブル半田づけ

むいたケーブル12本全てをパッドの適切な位置に半田づけします。まずはGNDとスタートボタンを繋ぎ、ゲーム機に接続して導通確認してみてください。スタートボタンがOKならレバー上の接続および導通確認、それもOKならAボタンの接続および導通確認をして、1歩ずつ進めるのが確実です。なお、導通確認の度にコントローラをゲーム機に繋ぎ、導通確認を終える度にコントローラをゲーム機から外すようにしてください。

コントローラ基板のどこに半田づけするかはサンプル画像をご覧ください。サムネイルをクリックすると拡大画像が表示されます。3-4の画像と見比べると、よりわかると思います。

直付け後のコントローラ基板

3-6.全てのボタンおよびレバーの導通確認

メガドライブのゲームを起動し、ゲームでレバーおよびボタンが正しく機能するか確認してください。ストリートファイターシリーズのようにABCXYZボタンを全て使えるゲームだとテストしやすいと思います。

なにも問題がなければ、この時点で乗っ取り作業自体は完了しています。残りの作業は仕上げ作業なので省略可能ですが、やった方がいいです。

3-7.ホットボンドで接続強化

今回はケーブルを基板に直付けしているので、接続部の強度が弱く、外れやすいです。ホットボンドを使用して強化した方がいいです。

ホットボンドはおもむろに直付けした部分にかぶせるだけです。ホットボンド使用後のサンプル画像は以下です。サムネイルをクリックすると拡大画像が表示されます。

ホットボンド後のコントローラ基板

3-8.仕上げ

コントローラ基板むき出しのままだとアレなので、エアキャップで包みました。

包装後

元のパッドを削ってケーブルを通るようにしたかったのですが、不器用な私はこれで満足することにしました。

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